ひとり旅愛好家、旅をする

旅をメインに美しいモノコトヒト、そして美しい言葉を美しく

ギリシアからの風

急遽決まった出張でこちらに入ってから

相も変わらず怒涛のような時間を過ごしている。

わんこたちは近くに暮らす身内がほいほい預かってくれたのだが

そこでデレデレした姿を晒している画像が送られてきた。

かわいいしかわいがっているしできることはなんでもするけど

なんていうか巷間よく聞くような

孫をかわいがる?感じというより

共に暮らす家族なので

「会いたくならない?」

なんで?帰ったら会えるし、と返した。

 

 別のアポへの移動中に別の身内から画像が送られてきた。

どうやらギリシアで仕事があったらしい。

どこでなにをしているか全く関知しないが

元気でいるあいだは連絡が来ないのでそれでよし、と思うのだが

ときどきこうして画像が送られてくる。今回はギリシアか。

 

この画像でギリシアに行ったことを鮮やかに思い出した。

まだコドモの時分、父が連れて行ってくれたのだ。

母が亡くなって寂しいだろうと思ってくれたのかもしれない。

 

その身内がいま借りているフラットはアテネ大学博物館の近くだという。

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部屋からも見え、歩いて行けるというパルテノン神殿だそうだ。

羨ましすぎる。

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父は黙ってあたしの前を歩いていた。

ときどき振り返ってついてきているかを確認しているようだった。

負けず嫌いな性格のあたしは遅れまいと必死についていった。

登り切ってはるか遠くまで見渡しながら父が言った

「おかあさんが生きているうちにいっしょに来たかったよな」

 

母はとても体が弱く、

あたしの小学校へ危篤の電話が入ることもあったほどだった。

そのたびに(どうか死なないでおねがい死なないで)と

必死で電車を乗り継いで病院へ向かったのだった。

だから父が言うように、母といっしょに海外旅行をするなんてことは

不可能だったのだ。それは父の願望だったんだろう。

 

 

そんなことをギリシアからの画像で思い出した。

実はあたしもちょっとめんどくさい病気を持っているんだけど

お子らのためにいちにちでも長く生きていてやらないとな、と

しみじみ思う。

 

 旅はまだ続く

 

 

 

 

 

 

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