『母とヨーロッパへ行く』太田 篤子著
どこかのなにかで見かけたこの一冊。
たぶん同年代と思われる著者とそのおかあさまが
ヨーロッパを旅している(現在も継続中)内容が網羅されている。
ミモレ編集部のサイトにご本人による解説が展開されている。
興味深く、好きなスポットが重なっているので
おかあさまとの旅の様子を羨ましく読んだ。
ごく個人的なことだけど、
我が家は身内と現地集合現地解散の旅が多く
それはそれぞれが暮らしている国が異なるせいなんだけど
このご時世のせいで、ひとりは帰国できず、
ひとりは事情があって住民票のある国を離れていまは日本。
旅行どころの騒ぎじゃない。
QUEENのヨーロッパ公演のときに
現地で落ち合ってたまにはご飯でも食べようということになっていたんだけど
それも公演が延期になりいまだ実現せず。
それが最近、いっしょにあちこち行かないかと提案され
いつもは不承不承のお付き合い旅だったようなので
ありえないことだと驚愕しつつも、ここは素直に肯っておく。
気に入って何度も訪れているニースもいいけど
「カンヌにトモダチの一族が持っている別荘がある」
というのであまり食指は動かないものの
(慣れたニースがよかった)
生きているうちにこんなことが二度もあるとは思えない
&
いつまで健康で健脚三昧できるかほんとうにわからない
とおもい、決意した。
そんなタイミングでみかけたこの一冊。
立場は「母」だがレンタカーを運転するのはあたし。
英仏の言葉には困らないのであとはどこまでなにを妥協するか、だ。
2015年9月のコートダジュール。ホテルの窓から撮影したもの。
足を延ばし、レーニエ大公とグレース王妃のお墓に詣でたモナコ大聖堂
ひとりきままな旅の良さはゆっくり見たいところと
駆け足でもいい(なんなら全く興味がない)ところを
自由自在に動けるところだ。
誰かといっしょだと相手の希望を忖度せねばならぬ(のがめんどう)
ひとり旅なら現地の半日ツアーに参加して
のんびりするところだし、
公共交通機関で回れるスポットだけ行けば満足する性質(たち)だけど
ふたりなら気軽にレンタカーで回ったほうがいいと思うようになったのも
冒頭の一冊を読んだからで、日程的には
Parisからのエクスカーションになりそう。
これだから個人の(ブログを含む)紀行は見逃せない、
充分すぎるほど旅ごころを掻き立ててくれる。
国内外問わず、文章や著者のモノに対する考え方捉え方、
哲学が心に響くとピースがかちりとはまる。
いい一冊に出会えたとおもった。
うれしい。