ひとり旅愛好家、旅をする

旅をメインに美しいモノコトヒト、そして美しい言葉を美しく

高齢者の介護

2月に入って、

一族の重鎮最後の生き残りな叔父が入居している施設から

「いままでになく体調がよろしくない」

という連絡が入っていたので

いつでも素早く動けるようなにくれとなくスタンバっていたある日、

そのときが近いという緊急入電があった。

黒い服を持って行くのはちょっと不謹慎だなと思ったので

普通のスタイルで文字通り飛行機飛んで飛行機行った。

行き先は2時間弱のフライトの距離。

 

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雪深いそこにいくのに足元をうっかり失念していた。

高齢者施設から移されたという病院へ

空港から向かう道の途中、

雪道仕様のブーツを買い求めた。

タクシーの運転手さんは

「今年は雪が多くて・・・」

饒舌な方だったので気が紛れた。

 

叔父は静かに眠っていて

あたしがいるあいだに交わした言葉はふたことみことで

それも何の意味もない言葉ばかり、

すでに時間の概念はなく、過去と現在を行ったり来たりで

すでにいない親族が彼の脳内では存在するようだった。

「屋上の居酒屋がな、楽しそうなんだけどな」

どこの屋上なんだか。

屋上に居酒屋があるとは稀有な。

 

後妻業とおぼしき女性にありったけ貢いだ叔父。

公務員だったのと叔母が早くに亡くなったのとで

それなりの貯えがあったはずだ。

同様に、それなりの年金を得ていたために

入居した施設も贅沢なもので、

まいつきの経費が受給する年金を大きく上回っているうえに、

介護保険や住民税などすでに足を出している。

あたしは一族のいちばん下っ端なのと現役労働者なのとで

叔父のケツモチを担わされているがそれも止む無し。

 

新型コロナウィルスが蔓延する中、いつまでも病院にいるのは

なにかと不安ではあったのだけど

「小康状態なのでしばらくは・・・」

という担当医の言葉に意を得ていったん自宅に戻ってきた。

玄関を入るまえにコートを脱ぎ、マスクを外し

家に入ったところで着ているものをすべて脱ぎ

浴室へ直行してシャワーを浴び(させられ)た。

普段からそうなのでこの時期が特別というわけではないが

「花粉を持ち込まないで」

というセリフも加わっている。

 

 

最期の旅立ちが近いのかもしれない、

たいへん残念で悲しいことだけど沖縄旅行をキャンセルした。

 

 

 

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今回慌てて持って行ったUSBハブ、
あらゆるガジェットの充電に大活躍だった。