ひとり旅愛好家、旅をする

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【番外編】高齢認知症の闇 その2

【番外編】高齢認知症の闇 その1 - ひとり旅愛好家、旅をする

つづきます

 

 重い足取りで叔父の施設へ向かった。

 

叔父と会う前に施設のケアマネさんに話を聞くことにしてあった。

 

・叔父の入居の申し込みは、すーさんの娘さん夫婦が代理で行った。

・入居の際の手付金その他をすーさんの分も叔父が支払った。

・今後のすーさんの費用も全額、叔父が支払うことになった。

・叔父の貯えがごっそりなくなっていて、大騒ぎした。※電話が来たあの日のこと

 

ということがわかった。

叔父とすーさんは通帳をつかんで施設長に詰め寄ったらしい、

「警察に通報しようかと思いましたが」

ケアマネさんは困惑されていた。

 

すーさんのお嬢さん夫婦が同じ市内で飲食店を経営していることは

以前叔父から聞いたことがあって、その支援も「したい」と聞いていた。

それは叔父のキモチなので、そういうものなのだな程度の認識だった。

 

「でも」

ケアマネさんが続けて

「実は二か月後に(すーさん)さまはこちらの施設を退去されることになっていまして」

はい

「(叔父)さまもご一緒に退去されたいとおっしゃっているのです」

 

そのとき、ケアマネさんが

わかりますよね という視線を投げたのを見逃さなかった。

つまりそれは、叔父がすーさんご一家と同居して

経済的支援をするということですかね?

ケアマネさんは静かにうなずいた、ように見えた。

 

叔父の部屋は個室で、キッチンはないが、バストイレ付きで

学生のワンルームマンションのようなつくりになっている。

まったく同じつくりのお隣がすーさんの部屋で

部屋には鍵がかかるようになっている。

三食はレストラン(といってもホールみたいな場所)で摂り

あとはそれぞれが個室で好きなように過ごすというもの。

女性が多いその施設で叔父とすーさんが噂になるのも無理はなかっただろう。

 

叔父に話を聞くために部屋を訪ねるとすーさんと並んで座り

テレビを見ていた。

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すーさんは先日の電話のことなど全く覚えていないように

明るく挨拶してくれたが

ちょっと話があるのであとでお訪ねします、とお引き取りいただいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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