ひとり旅愛好家、旅をする

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【番外編】高齢認知症の闇 その1

雪の残る時期に高齢の叔父が入居する施設からの緊急連絡で

慌てて向かったあの日からかれこれ二か月、

さいわい持ち直した叔父。

 

オトコ三人兄弟の三番目だった叔父は最後の生き残りで

父は「出来の悪い」弟をいつも心配して

何くれとなく面倒を見ていたので、

子どもがいなくて妻に先立たれた叔父を

彼の兄のムスメたるあたしがケツモチする流れになっていた。

現在の高齢者施設に入居するときに後見人になったそのときから。

 

実は叔父が入居を決めたその施設には前の施設から同時に入居した女性がいた。

すーさんと呼ばれるその女性は甲斐甲斐しく叔父の身の回りの世話をし

ときには添い寝をしていたのだそうだ

※入居した施設で食事に来ない叔父を探したところ、

すーさんの部屋でふたりが眠っていたとのこと。

 

およそそういう事柄から縁遠い場所にいるあたしには

想像の範疇を大きく超えていて、

その事象を理解することすらできなかった。

(※高齢者の熱愛ってヤツですね、いまふうに言うと)

ただの添い寝だったのか同衾だったのかは

シモ方面の話はニガテだし、わからないし知りたくもないが

とにかくそういう関係の女性だったということだ。

この施設もその女性がみつけてきたらしい。

 

入居して数ヶ月が経ったある日、

すーさんからあたしの自宅へものすごい剣幕で電話が入った。

「お金はどこにやったの?!盗んでいったのね!!」

 

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いったいぜんたいなんの話でしょうかはてなマーク

 

「通帳から引き出したんでしょ?お金が入っていないわよ!!」

 

えーと、それはだれの通帳でしょうかはてなマーク

 

「(叔父)さんの通帳よ!」

 

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話を整理したいので、この会話を録音しますね、おまちください

 

「冗談じゃないわよ!」ガチャン

 

 

なぜこの女性が叔父の通帳について

ものすごい剣幕で連絡してくるのかさっぱりわからなかった。

彼女の連絡先は知らなかったので叔父に電話をしたがつながらない。

仕方なく入居施設に連絡し、電話がかかってきた話をした、ところ

 

「こんどはそちらに電話されたんですね」

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聞けば、叔父は通帳やキャッシュカードの管理をすーさんに任せていたらしい。

しかも、すーさんの入居費用を叔父の貯えから支払っているというのだ。

 

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 「入居される際、(叔父)さまが(すーさん)さまの費用をお支払いになるとのことで」

 

知らなかった。

叔父の支払いは叔父自身が行っていたのであたしはただ

叔父に万が一があったときのケツモチの役割でしかないのだ。

 

「遅かれ早かれこういう事態になると思っていました」

 

しかしこのままでは事態の収拾はおろか

詳細な事情がわからなくて対処のしようもない。

 

いちど、行きますね

 

フライトで2時間弱のその地へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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