【番外編】高齢認知症の闇 その3
【番外編】高齢認知症の闇 その1 - ひとり旅愛好家、旅をする
【番外編】高齢認知症の闇 その2 - ひとり旅愛好家、旅をする
もうすこし 続きます・・・
ご興味のない方にはもうしわけございません・・・
叔父と直角に座り、
当たり障りのない話をしていると
「俺は来月ここを出てすーさんと暮らすことになった」
という。
わかったよ、叔父さんの人生だから叔父さんの好きにしたらいい。
「ところで、お前は俺の通帳から金を引き出したのか。
早いとこ返してくれ」
叔父さん、通帳はどこにあるの?
「ここにある。定期預金も解約したんだな。・・・」
(叔父さんが持ってんのにどーやって解約するんだぃ)
通帳を見ると、子供のない夫婦が定年まで勤めあげて
定期預金に入れた相当な金額が印字され
それが解約されて引き出されていることが記載されている。
さすがにこの時点でちょっとアヤシイなと思い始めたあたし(遅)
(引き出された日時)に郵便局に行ったの?
「知らん。いいから早く返してくれ。」
(気にせず)えーっと、先月の10日っていうと叔母さんの命日だよ、
お参りに行ったんじゃないの?
「ああ、行った。すーさんが連れて行ってくれたんだ」
へぇ、すーさんとねぇ・・・(察し)
帰りにおそばを食べに行ったんでしょ?
「ああ、あそこのそばは手打ちで田舎そばだから・・・(以下略)
そのあと銀行と郵便局にも行ったな」
銀行にも行ったんかい
叔父が出してきた銀行の通帳を見て
あたしは声が出なかった。
想像通り、すべて引き出されていた。