ひとり旅愛好家、旅をする

旅をメインに美しいモノコトヒト、そして美しい言葉を美しく

徳島県の公共交通機関の破壊力がハンパない件

徳島県を訪ねた。

移動はすべて公共交通機関を利用したのだが

徳島県の公共交通機関には恐れ入った件をどうしても書いておきたい。

 

自慢じゃないがあたしは運転が超絶うまい。

誰を乗せても言われるがそれは父と夫の運転が超絶天才で

360度ぐるりに目がついているんじゃないかとおもうほどだった。

速度はもちろんのこと、周りとのバランスを考えた運転や

道を歩いているヒトや歩道橋の上までを観察して運転しているヒトたちで

そういうヒトの運転する車に乗っていれば自然と自分もそうなるわけで

都内の道はわりかたスムーズで同乗者の安全も考えて運転するが

みちをよく知らない地方ではそうはいかない。

道には「不文律」ってのがあって、

地元のヒトにしかわからないルールが存在する。

コドモが飛び出しやすい交差点だってあるし、

道の真ん中を平気で歩くおばあちゃんがいるかもしれない。

ちょいとやってきた観光客にそんなことがわかるはずがない、

だからレンタカーは便利だがよほどのことがない限り、借りることはない。

今回もそうだった、そして

「後悔した」

 

徳島阿波おどり空港に到着したのは東京からの始発フライト。

移動のバス時間まで相当時間がある、はずだった。

しかし時は三連休の直前&例の(JAL福岡空港便がドタキャンされた翌日で

羽田空港は早朝から異常な混雑ぶり、旅というテンションも手伝って

空港内は異常な熱気に満ちていた。

そして、高めテンションの民族移動は熱度の違いで速度が異なり

出発予定を大幅に過ぎてもあたしの乗った飛行機は飛び立たず、

満席になるまでドアは閉まらなかった。

大きな荷物を持った年配の女性のグループが最後に乗り込んできた。

フライトログブックを確認してみると45分のディレイになったとある。

到着したあとは訪問先(取引先)を訪ねる前に

空港でちゃっちゃとお土産を買ってしまおうと考えていたのが・・・

現地のバス出発予定時刻ぎりぎりに着陸するという

スリルとサスペンスを無駄に味わうことになり、

たまさかそれがこの旅の終わりまで続くとはだれが予想しただろうか。

そしてそれは

徳島県の公共交通機関」によるものだったことを書いておきたい。

※けして誹謗中傷するものでなく、観光する側は心がけておくべきである、ということを言いたいに過ぎない。

 

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空港から鳴門方面へ向かうのは

「地元の路線バス」である。

徳島市からやってきた路線バスは移動する地元の方ですでに満席に近く、

大きいキャリーと大きめバッグをかかえて空き席に収まるなんてことが

三連休直前の日に望めるはずもない。

しかしたまたま奇跡は起きた。

そこから40分ほど乗車して目的地に到着。

この移動でこの土地特有のひとつのルールを学んだ。

「路線バスは地元のヒトのためのものである」 

 

 

全てのプロジェクトが終了して

訪問先を辞し、空港行きのバスを待つ列に並んだとき、

(もしかして・・・)嫌な予感がしたが、そういう予感ほど

当たらずにいてほしいときほど当たってしまうものなのだ。

はたして、やってきたバスはほぼ満員(!!)だった。

乗客をこれ以上乗せられないということを運転手さんがわざわざ降りてきて

並んでいた人の列に宣言した。

キャリーバッグをおいて呆然とするひとびと&あたし。

ふと(インド式にバスの上に乗るとか??)不埒なことを考えたあたしを許して神様。

 

バスは走り出した。

なぜかあたしはバスの前方で

ぎゅうぎゅうになってカラダを四方からプッシュされ

それはそれで身動きせずに立っていられたのである意味安全に立っていた。

このバスを逃すと次のバスは1時間後だ、

それではフライトに間に合わない。助かった・・・

しかし途中のバス停でこのバスを待っていた地元の方はみなさんおいてけぼり、

たいへん申し訳ない思いがした。

 

三連休で民族が大移動することが予想されたり、

アーティストのイベントがあるときなど某地方都市ではバスを増発して

ピストン輸送を行っていたが

徳島県のバス会社はそういった経験が少ないのかもしれない。

日本人だけでなく海外からの観光客も多く

このバスに乗リ遅れ、フライトを逃すと帰国できない羽目に陥ってしまうのだと

満員のバスを前に語ってくれた女の子二人組がいた。

そうなったら何としても押し込んで差し上げなければと考えていたが

すでに乗り込んでいた乗客のみなさんが詰めてくれたおかげで

彼女たちとあたしはなんとか乗り込むことができたのであった。

 

乗れなかった三十数人のヒトたちはその後どうしただろうか。

「タクシーもここまでは来ないのよね」

呼んでもですか?

「来ないわよー、こんなところまで迎えにも来てくれやしない」的なニュアンスの会話を

うんざりした表情の地元の女性と交わしたが、そうだとしたらなおのこと

バス会社にはぜひバス増発を検討して欲しい。

そしてタクシー会社には「予約なら行」くのでなく

電話が来たら気持ちよく迎車してもらいたい。

 

徳島県ではまだSuicaPASMOも使えない。

事前に調べて小銭をたくさん用意していったので

それはいい。

でも観光客の多くは公共交通機関を利用して旅をする。

誰もが車を運転する・できるわけではない、

日本だけでなく海外の方も多い。

 

たまたま知り合った福岡のひとり旅の女の子ちゃんは

「週末ちょっと行ってくる、って感じでは来られないです。

会社を休まないと足の便が悪いから無理。今回は三連休だから来られました」

と言って、これから行くという「龍馬パスポート」を見せてくれた。

 

インバウンドで地元にどれほどの経済効果があるかは

門外漢なので詳細はわからないが

少なくとも経済が活性化するのは確かだろう。

しかし、徳島県では特に望んでいないのかもしれない、実に勿体ない。

うず潮だけでなく、大塚美術館や各地に見どころのあるポイントが多くあるのだから

リピーターを呼び込んでほしいし、もっと

「ヨソモノ」にやさしいところであってほしい。

 

 

 

 

 

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