ひとり旅愛好家、旅をする

旅をメインに美しいモノコトヒト、そして美しい言葉を美しく

奈良の金曜日

木曜日はJR奈良駅にほど近いホテルに宿泊し

金曜はレンタカーでなく、

公共交通機関を利用して回るつもりで

朝イチに法隆寺へ向かうことにしてあった。

車があれば便利なのだが、奈良市内の主だった寺社の駐車場が

参詣者にはあまり利便性がよくないことが下調べの段階でわかったからだ。

 

聖徳宗総本山 法隆寺

 

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南大門と参道

 

今年は聖徳太子1400年遠忌で、法隆寺や奈良の寺社では地域を挙げて

秘宝秘仏を限定公開している。

法隆寺でも

聖徳太子1400年御聖諱記念
特別展示「法隆寺の信仰と宝物」
開催場所:法隆寺大宝蔵殿
4月1日(木)~6月30日(水)
午前9時~午後4時30分

が開催されているので

国宝 金堂天蓋附属飛天および鳳凰 や

重文 阿弥陀三尊像、重文 観音菩薩像などをゆるっと拝観する。

 

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熟練の職人さんたちが清掃に余念のなかった本当に美しいシルエットの五重塔

 

法隆寺内はどこに行っても丁寧に説明してくださる方がいらして

じっと見ていると、さらりと近づいて説明してくれるのが意外だけど

ありがたくてとても勉強になった。

 

「特別開扉のお知らせ
夢殿 秘仏・救世観音菩薩立像」

もタイミングよく拝観させていただいた。

 

国宝でありながら、質素に収蔵されているのもいかにも法隆寺的なのかもしれない。

 

 

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金堂。 金堂と五重塔と中門。

 

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薬師三尊像が収蔵されている大講堂。

参道両脇には見事な桜の木。

そしていっぽんだけ

「いちねんじゅう咲く桜の木があるのです」

それがこちら

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大講堂に向かって参道右側に立っているたった一本の桜の木。

青空の下で心底嬉しそうにそのつぶらな花を開いていた。

 

いただいた御朱印、あまりにも見事な筆致でしばらく見惚れてしまった。

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丁寧に墨を擦り、美しい姿勢と静かな呼吸で書かれるさまを眺めていると

これが日本の美しい伝統のひとつなのだと思える。

(前日、とても残念な御朱印を頂いてしまっていたので余計にそう思えた)

気高く見事な沈香が香るお線香も買い求める。こんなに見事な沈香の香りは久しぶりだった。

 

 

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国宝夢殿

日本最古の木彫仏像「救世観音菩薩立像」

inori.nara-kankou.or.jp

が収蔵されている。

先の方の御説明の

「仏像のお顔は時代とともに細長くなっていきます」

のとおり、救世観音菩薩は面長で線の細い菩薩様だった。

観音菩薩立像は約1400年前に造立されたとされており

日本で現存する最古の木像彫刻のひとつなのだそうだ。

金箔もそこそこ残っているので、当時の人々がどれほどこの菩薩像を

大切に取り扱っていたかがわかるような気がした。

 

 

金堂や五重塔からのんびり歩くこと十数分で夢殿にたどりついたので

聖徳太子のお母様がモデルと言われる中宮寺へ足を延ばす。

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澄んだ水を湛えて清々しい空気に満ちた本堂には

国宝 如意輪観世音菩薩像。

その微笑みの美しさと神々しさに胸を打たれてしばし佇む。

 

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その日予定していた参拝予定ではもう少し早く終わるはずだったのが

思いがけず秘仏開帳が多く、しかも見事な御朱印をあちらこちらで頂いたりで

中宮寺さんの受付に置いてあったタクシーカードを見て

ここから法隆寺駅までタクシーを利用した。

お呼びした手数料と併せて850円paypay払い。←便利すぎ

奈良駅からは奈良交通のバス1デイパスを使う。

失礼ながら、意外とバスの本数が多い印象だ。
 

 

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奈良駅から10分ほどで春日大社の目の前に到着。

ちょうど 移築や改修工事が行われていて、ちょっと落ち着かない雰囲気だったので

お詣りし、御朱印を頂いて失礼する。

 

バスで移動してお次は東大寺へ。

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東大寺南大門の運慶作と言われる阿吽の「金剛力士像」は

あまりにも有名なので素通りせずしっかりご尊顔を拝し奉る。

 

そして本堂の御本尊御像

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高さ15メートルの「廬舎那仏」

ちょうど声明の時間で、滔々と響くお経を心地よく耳にしながら回る。

 

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本堂には廬舎那仏以外にも運気の上がりそうな御像。

 

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ああ、もうほんとにありがたすぎるこの力強い筆・・・陶酔

 

このへんで足腰は限界に近いんだけど(弱)

もうちょっと欲張って興福寺へ向かうことにした。

おめあての阿修羅像は写真が撮れないので興福寺さんの公式HPでぜひご覧ください

奈良時代(710年 – 794年)に建立された阿修羅像はすでにして現代的な様相を感じる。

学生時代から仲のいいトモダチが一時期、ネット上で「阿修羅」を名乗っていたこともあり

どことなく阿修羅像には親近感を覚えていたので、不思議なことに懐かしい気持ちに。

御朱印の文字の見事さもさることながら、

書いてくださる方(女性)の心遣いも超一流だった。

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力強いうえに優しくふくよかな印象・・・うっとり 

 

さて、そこでお昼を少し回ってそろそろお腹が空いてきた。

前日夜も食べに行った「まるかつ」さんを再び訪ねることにしたのは

「なにをどこに食べに行く?おいしいかな?って思うより

まちがいないところにで食べない?」

同行のMさんが言ってくれたのだ。ありがたやありがたや。 

興福寺から奈良駅で乗り換え、北神殿でバスを降りた。

(1デイパスだと最寄りの神殿まで乗れません、が、北神殿から歩いてもすぐです)

 

 デカすぎる大えびフライ定食。

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ごはんは白ごはんと雑穀ごはんが選択でき、

お味噌汁と千切りキャベツは食べ放題。

手前のタルタルソースはたっぷりで、豪快にエビフライをダンクできる。

実のところ、普段からさほどの容量を持たないお腹なので

ごはんは残しましたすみません。でも最初から少なく、とお願いしてもこの量。

充分に満足しきってすっかり体力も回復し、

そこからホテルにスーツケースを取りに行き、京都行きのJRに乗ったのでした。

 

とても楽しく趣き深い街だった、奈良。

またいつでもこのコロナ禍が終息したら

訪ねたい奈良。

京都も奈良もあたしの中では永遠の憧れで、

何度でも通いたくなる街。

 

今回のまほろば旅は京都へ続く。

 

 にわか仏像ファンになっちゃって思わず海洋堂さんの仏像フィギュアを買ったり。

 

 

 

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